人を助けるのに理由は必要か?

最近、「裁判長!ここは懲役4年でどうですか?」という漫画を読みました。そのなかで、とても印象に残ったお話があります。

この漫画は実際にあった裁判の傍聴をして、それをもとに作ったお話なので、本当のリアルな話なんですって。

その印象に残ったお話は、窃盗犯、いわゆるドロボーをしちゃったお父さんが、刑務所に行くか執行猶予がつくかという瀬戸際で人情味あふれるおばあさんに助けられるというお話。

おおまかには駆け落ちした子連れの夫婦がお金に困って、夫がドロボーするのだけど、妻は悪いことをしているかもと思いながらも日々の生活や子供の生活のために言い出せず、結局、捕まってしまうという話。

本来なら被害者への弁済も出来てなくて、仕事も決まっていない状態では、刑務所行きが妥当らしいのですが、人情味あふれる近所のおばさんが仕事を世話してくれると証言台にまで立ってくれた。おばさんは裁判が始まるまでも、その家族にお米やお野菜を差し入れたりとお世話してくれたそうです。

そこで弁護士さんはどうしておばさんは近所というだけで、そこまでこの家族を助けるのか、そして検察官も同じようにどうして他人のあなたがそこまで面倒を見るのかと聞きます。おばさんは当然のように

人を助けるのに「なぜ」とか「どうして」とかいるのかい?困った人がいたら助けるのが普通でしょ!

いかにも古き良き時代の日本人って感じですね。本当の話らしいですよ。

また、おばさんは検察官に、この人を雇うというけれども、信用できるのですか?泥棒なんですよ?裏切られるかもしれませんよと意地悪な質問をします。まあ、もっともな質問な気もしますけど。そこでもおばさんは

アタシは助けなかったことを後悔するよりも 裏切られて後悔するほうが100倍いいです!

言い切ります。おばさん、侍のようですね。今の自分は疑ってばかりで人を信用することを無意味なことのように感じているので、この話を読んで、きっと信じたほうが気持ちよく生きられるのかもって考えさせられました。でも、なかなか裏切られる前提でしか信じられないですけどね。

嘘のような本当の話が満載の「裁判長!ここは懲役4年でどうですか?」以前、テレビで深夜にドラマ化されてましたね。ちょっとだけ観た記憶があります。面白かったですよ。

理不尽な犯罪の話を読んでいると、やるせない気持ちになることもあります。防ぎようのない犯罪に巻き込まれないように祈ることぐらいしかできないなんて理不尽ですよね。世の中にはいろいろな犯罪があると勉強にもなりました。