女のいない男たちのなかで、一番小説らしいお話だったかもしれない。もちろん表現できる人間ではないのですが、「シェエラザード」と「木野」は、いかにも作り話というのが読んで取れたので、そう言う意味での小説らしいということ。
「ドライブ・マイ・カー」「イエスタデイ」は普通にあってもおかしくない話で、「シェエラザード」と「木野」はどこか不思議な感覚にとらわれる話。そういうジャンル分けがあると思うのですが、普段から漫画しか読まないので、そのジャンル分けはわからない。だから小説っぽいと思ったのかも。
この話(木野)は、女のいない男たちのなかで、一番ふかく心にしみた。面白かったとかではなくて、しみこんだ感じがスゴかった。自分に置き換えて話を読んで、感情移入していたのかもしれないです。
衝撃的な出来事を目の当たりにした主人公が、逃げ続けるうちに、最終的に痛みを受け入れるシーンが全てでした。そのセリフが心に染みて、あまり感じたことのないような感覚になってしまいました。
冒頭から妻が同僚と自宅のベットで体を重ねるシーン。その生々しい表現に、気持ちが悪くなりそうに。これって、モー娘。の矢口真里の件からインスピレーション?まあ、昔からよくあると言えばあるような話ですが、タイミング的にはそれですよねw
妻の謝罪を受け入れ、許すと決めた木野が、じつは深く傷つき、それを受け止められないことで起こる不思議な出来事の数々。一つ一つが読み手の想像力お任せしますな所もありましたが、最後のセリフだけは本当にしみた。
そう、おれは傷ついている、それもとても深く。
傷ついたことも受け入れることが、じつはその傷を癒すはじめの一歩なのかもしれないですね。謝罪を受け入れたつもり、許したつもりでも、それだけでは解決できないことが浮気や不倫にはあることを、誰もが理解することが大切かもしれないですね。そうすることで、ひとりでも傷つく人が減ればいいのですが、男も女もバカばかりなので、平気で嘘をつくし、平気で裏切りますよね。残念(>_<)
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