上級国民、下級国民、読んでみた感想

高齢者の交通事故で、事故を起こしたのが過去の経歴が華麗なおじいさんだったので、ネットでは上級国民だから逮捕されなかったのだと、そんな論調を何度か目にしました。実際には高齢のため、逮捕して取調べするのが体力的に難しいとか、そういう問題があったとしても、そんなことは受け入れない人が結構いるみたいです。「上級国民、下級国民」を読む前の私は、ただなんとなく、ネット上のネトウヨと呼ばれる人たちの声の大きさや、偏った考え方に、違和感を抱いていたのですが、そうなるまでの過程や、どれだけの規模でも存在なのかなんて考えもしませんでした。世界的にアメリカのトランプ大統領の誕生や、イギリスのブレグジットが、どういった背景でそうなったのか、少しだけ理解できました。聞き慣れない言葉も多数あり、調べながらの読書では有りましたが、日本だけでなく、世界の分断が理解できました。ただ、もう一度読まないと理解が深められないかもしれないので、そこは理解力が必要なので鍛えていかないとという課題ができました。

日本に生まれ、当たり前のように豊かな生活を送っていましたが、日本のGDPが現在世界26位と下降気味で、日本人の生産能力の低さ(外国との比較で)に驚きました。なんとなくですが、日本人はすごい、日本人としての誇りのようなものはありましたが、そういったものがリベラルな人達からすると、ちっぽけな価値観であるということが学べました。そして、日本という国が、団塊の世代によって、多数決の原理のせいで、ずっと動いてきたこと、これからもそれは暫く続くことをしり、子どもたちの世代に負担をかけ続けることが心苦しくなりました。団塊の世代が緩やかに減っていくまで、国としてはリスクを取って改革するつもりがないということにも驚きました。

なんとなく聞きかじったことがあるだけであったISのテロ活動の原理も、バカバカしくも納得せざるを得ない内容でした。持てない男が溜まりに溜まったうっぷんを晴らし、テロを起こしても、同じような境遇の人たちから神と崇められるという話は、なんともおぞましいが現実的で、防ぎようのない不幸なのだと憤った。