ぼく、街金やってますを読んでみました。いろいろ衝撃だったのですが、一番の衝撃が、街金での融資金が投資家からの出資金だということでした。ぼくは新卒で大手の消費者金融に8年間努めていたのですが、働き始めた頃の上限金利が40%くらいあったので、それはもうめちゃくちゃ儲かったそうです。先輩たちの話では、毎年、実家に高級な伊勢海老やメロンなんかが送られてきたり、毎月、支店ごとに飲み会する費用が会社から支給されていました。働き始めてしばらくすると、29%くらいになったのですが、それでも銀行から2~3%で借り入れして、29%で貸付していれば、それはもう儲かりまくったことでしょう。やめる頃には18%にまで上限金利が下がってしまい、めちゃくちゃ儲かることが銀行なんかにバレてしまって顧客の取り合いや過払い請求なんかで消費者金融は全部潰れてしまいました。昔からある消費者金融も銀行資本で立て直し、いまでは昔ほど儲からなくなっているみたいですね。
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で、どうして一番の衝撃が、街金での融資金が投資家からの出資金だというと、その金利が10%ということでした。100万円以上の融資では上限金利がさらに下がって、15%になるので、5%しか儲からないんですね。昔の消費者金融なら3%で借りて40%で貸して、37%も利益出て、そう考えると5%で貸し倒れのリスクとか考えると、儲かる商売とは思えないですね。もちろん、不動産を担保にとって、貸し倒れは一度も出したことがないそうですが、それから先も、そんな幸運が続くとも考えられないです。
はじめに街金になったあらすじが秀逸で、まさかの債務者(借りている側)からのスタートというのには驚きました。しかもバリバリの反社からの借り入れとは・・・反社って、本当にお金とかプライドとか顔で人を殺したりするから怖い。そんな人達との交流?関わり合いがユーモラスに描かれており、真実もそこらかしこに散りばめられており、生きたお金ならいいけど、その場しのぎの借金の怖さを教えてくれる1冊でした。